水星逆行とは。(2022年8月更新)

 

水星逆行とは。

文字通り
“水星”が
逆行している状態のことを言います。

 

ですが、
これはあくまで
地球からの見かけ上のお話です。

実際のところは、
太陽の周りを公転している水星が
逆行することはありません。

 

けれど、
水星と地球との位置関係によって
地球からは水星が
いつもと逆方向に進んでいるように見える

 

それが「水星逆行」です。

 

身近な例でたとえると…

自分が電車に乗っているとき、
その線路に並行して
車が走っていたら、
電車よりも
速度の遅い車が
逆走しているように見えますよね。

でも、
車は、
電車より進む速度が遅いだけで
ちゃんと前に進んでいます。

 

水星逆行が起こるときは
この電車と車の関係性に近いことが
地球と水星の間で起こっているため、
あたかも
水星が軌道を逆走しているように見えるのです。

 

memo

「逆行するのは水星だけですか?」とよくご質問をいただくのですが、
占星術で取り扱う主要な10惑星のうち、太陽と月以外の星、
つまり、水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星はすべて逆行します。
なぜ水星逆行だけメジャーなのかというと、年に3回と頻繁に起こるからです。
詳しくは、以下。

 

 

1.水星逆行の起こる頻度

 

水星逆行は約4か月に1回、
年に3回ほどの頻度で起こります。
1回の水星逆行期間は、約3週間ほど。

 

上に
「地球と水星の位置関係によって
水星逆行が起こる」と書きましたが、
水星が太陽(※)と同じ星座となるとき
(たまに次の星座に入ることもありますが)
水星逆行が起こります。
※占星術でいうところの太陽は、本来は地球のことです。

 

ちなみに、
金星は584日毎、
火星は約2年毎に1回、
逆行が起こり、
木星以遠の天体になると、
年に1回、100~160日ほどの長期間、逆行します。

 

 

2.水星逆行中に起こりやすいこと

 

地球からの
見た目の話であったとしても
水星が逆行を始めると、
地球に住む私たちは、
この水星の動きに共鳴し、
いろいろな反応が
現実的な事象として出てくることがあります。

 

一般的に
水星逆行中に
起こりやすいといわれていることを
以下にざざっとまとめておきます。

  • コミュニケーションがスムーズに進みにくくなる
    (話がかみ合わない、勘違いする、誤解する/される、
    言いたいことがうまく言葉にできない、話が支離滅裂になる)
  • 体調が悪くなる、ぼんやりする、やる気がなくなる
    (特に水星逆行の始めと終わり前後一週間くらい)
  • 集中力や思考力が落ちる、考えがうまくまとまらない。
    その結果、思わぬ勘違いやミスをしてしまうことも
  • 電話やメール、ネットなど通信系のトラブルが発生しやすい
    (なぜか連絡がつかない、遅延、メール不着なども多いです)
  • パソコン、電化製品、電子機器などのトラブルが起こる
    (いきなり壊れるという話もよくあります。
    大切なデータのバックアップはこまめに取っておきましょう)
  • 交通機関などのダイヤの乱れが発生しやすい
    (特に水星逆行の始めと終わり。異常気象によることも多いような…)
  • 仕事ややりたいことなど計画していることが予定通りに進まなくなる
    (逆行中は物事の進みが遅くなり、停滞感を感じることがあります)
  • 以前、考えていたことや決めたことをもう一度見直す流れがやってくる
  • やらずに放置していたことに再度、取り組むチャンスがやってくる
  • ご無沙汰している人や懐かしい人から連絡が来る、あるいは、バッタリ再会する
    (ふとこちらから連絡を取りたくなることも)
  • 昔の良かったころを懐かしく思う。あるいは、昔のことを思い出して後悔する

 

この他、
水星逆行中は
金融相場が不安定になりやすい、と言われています。
(この辺りは私は専門ではないので詳しくは分かりませんが…)

 

また、
水星逆行期間の
始まりと終わりの前後1週間は、
水星が動きを転じるために、水星の動きが遅くなります。

 

星の動きが遅くなる、
イコール、
星のコンディションが不安定になる、と
解釈することができるので、

水星逆行期間が始まる前の1週間、
および、終わった後の1週間も
上に書いたようなことが起こる可能性があります。

あまり
神経質になる必要はありませんが、
念のため、
少し意識をされておくといいかもしれません。
(特に水星逆行開始前に反応が出やすいです)

 

これを
読んでくださっている方の中には、
「なぜ水星が逆行すると
上記のようなことが起こりやすくなるのか」と
疑問に思われた方もいらっしゃるでしょうか。

 

星が逆行する、ということは、
時間が逆戻りをする、
通常とは違う動きをする、
スムーズに前に進まない、ということ。

このため、
水星が管轄している分野において
物事がスムーズに進まなくなったり、
トラブルが起こりやすかったり、
何かしら不安定な状態になるのです。

 

では、
水星が管轄していることは何か、というと、
以下の通り。

・コミュニケーションや言語能力
・知性や思考
・仕事の能力
・商売
・交通や通信、電子機器
・神経系

 

だから、
水星が逆行すると、
上の箇条書きで記したように
コミュニケーションが
スムーズにいかなくなったり、
集中力や思考力が落ちたり、
その他の事象が起こる可能性が高くなるのです。

 

とはいえ、
水星逆行は、
決して「悪い時期」ではありません。

 

水星逆行は、
ネガティブな事象に
目が行きがちではありますが、

水星逆行を
ポジティブな視点で見れば、
過去にさかのぼって、
見直すべきところを見直し、
必要があれば、
修正したり、改善したり、やり直したり、
ときに過去に取りこぼしたものを拾ったり…
ということをするのに最適な時期となります。

 

つまり、
もし水星逆行中に
何かうまくいかないことや
トラブルが起こったとしたら、
そこに
「見直し」や
「修正/改善」のポイントがある、ということ。

 

なので、
水星逆行は、
「物事が思うように進まない悪い時期」ではなく、
【振り返り/見直しの期間】と思っていただいて、
前向きな気持ちでお過ごしいただければな、と思います。

 

(「水星逆行はイヤなことが起こる!」と思っていると、
水星逆行に関係なくその思い込みで
本当に嫌なことを現実化してしまう可能性があります。

泣いても笑っても水星逆行は年3回はやってきますから、
「イヤな時期」と思い込まずに、楽しく過ごしていきましょ!)

 

 

3.水星逆行中の注意事項について

 

教科書的には、
水星逆行中は、
新しいことを始めない方がいい。
何かを決断しない方がいい。
物事を大きく動かさない方がいい。と
言われています。

 

ですが、
私個人としては、
この“教科書的なガイダンス”に
あまり縛られなくてもいいのではないかな、と思っています。

 

実は、
これまで
私自身を実験台として(笑)
水星逆行中に
引っ越しをしたり、
パソコンを買ったり、
洗濯機を買ったり、
なんだかんだ
いろいろと試してきました。

 

で、
今のところ、
その結果は、どうなっているか。

 

基本的には、
現実問題として、
大きな支障がないことがほとんどです。

 

なかには、
水星逆行中に
急に「こうしよう!」と思いついて
新たに始めたことや新たに決断したことが
水星逆行が明けた後、
やり直し/仕切り直しをすることになったり、
想定外のデメリットが露呈したり、
「やっぱり違うかも…」と思い直して
キャンセルすることもありました。

 

でも、
私が試したことのうち、
このようなことは少数です。

 

水星逆行中に
ふとひらめいて決断したことのうち、
水星逆行が明けても
気持ちが変わらないこともあったし、
「あのタイミングで決めておいてよかった!」と
思ったこともあります。

 

ちなみに、
水星逆行中に
ふとひらめいて買ったパソコンも
今でも元気に
毎日の星読みを書くときに活躍してくれています。

 

なので、
私は自身の経験を踏まえて、
絶対に
水星逆行中に
「新しいことを始めてはいけない」とか
「新しいことを決めてはいけない」
というわけではない、と思っています。

 

逆に言えば、
水星逆行中でなくとも、
気持ちが変わることはあるし、
物事がやり直しになることもある。

だから、
水星逆行中に
やりたいことと思ったことがあれば、
どんどん進めていくといいと思いますし、
心が動くことがあれば、
その思いを信じて決断していいと思います。

 

ただし。

もしあなたが
自分の行動や決断が
好ましくない結果となったとき、
クヨクヨと悩んでしまいがちだったり、
後悔して引きずってしまいがちなタイプの方であるのなら、

「水星逆行中はあまり動かない」
「水星逆行中は大きな決断はしない」方が
いいかもしれません。

 

なぜなら、
水星逆行中に
不安を抱えながら進んで、
結果、うまくいかなかったとしたら、

(うまくいかなかった原因が
一つではないとわかりつつも)
「水星逆行中に始めたからこうなったんだ」とか
「水星逆行中に決めたからこうなったんだ」と
後々引きずって、
後悔してしまう可能性があるから、です。

 

だったら、
後悔につながる“原因”は、
一つでも減らして、
安心できるタイミングで
行動を起こしたり、
何かを決めた方がいいと思うのです。

 

「やらない後悔より、
やって後悔する方がいい」なんて
言ったりもしますが、
「やってしまった後悔」も
取り返しがつかないので苦しいもの。

 

なので、
水星逆行中に
何かを始めるかどうか、
何かを決めるかどうか、
物事を大きく動かすかどうか等は、
ご自身の性格を踏まえた上で
決めていただければな、と思います。

 

なお、
水星逆行が始まる前から
始めたいな、やりたいな、と思っていることや
あらかじめやる予定になっていたことを
水星逆行中に進めていくことは、
教科書的なガイダンスとしてもまったく問題ありません。

むしろ
「いかにも水星逆行らしい行動」とも言えますので、
この辺りは心のおもむくままにいきましょう。
(私自身はあまり気にしていません。
ちなみにこのサイト立ち上げも思いっきり逆行中でしたが、
2016年1月から3年、問題なく継続できています)

 

あとは、
水星逆行前に迷っていたことを
水星逆行中に
「やっぱりこれでいい!」と納得できたことがあれば、
その感覚を信じて進んでくださいね。

 

【関連記事】
水星逆行中に行動を起こすか否かについては、
以下の記事でも私の考えをお話ししています。

水星逆行中は、○○しない方がいい?(2022年8月更新)

 

 

4.【参考】私の水星逆行期間の過ごし方

 

前項でお伝えした
数々の実験を重ねてきた経験から、
私自身、
年々、
水星逆行期間ということをあまり意識せず
いつも通りに過ごすことが増えているのですが(笑)

それでも一応、
私自身、意識していることがありますので、
以下にまとめてみました。

よかったらご参考くださいね。

  • 物事がうまく進まないときは焦らない。無理に動かそうとしない。タイミングを待つ
  • 眠いときは寝る。やる気がでないときは、のんびりする
  • 仕事等で大切な予定があるときは、いつもよりも気を引き締める
  • 事前準備をきちんとしておく
  • 早めに行動。ゆとりを持って行動
  • これまでの流れを振り返って、今の自分の立ち位置を確認
  • これからどうしていきたいのか、方向性を改めて考え直す(水星逆行=準備期間)
  • やろうと思いつつも先送りにしていたことをやる
  • 以前やってみてうまくいかなかったことで気になることは再度トライする
  • これまでに得てきた知識、情報、経験を整理する
  • 「積ん読」になっていた本を読む
  • 過去に勉強したことを復習する

 

これまでの
私自身の経験と
クライアントさんや
講座受講生さんの声から考察したところ、

水星逆行が始まるまでの時期に
頑張りすぎていた、
考えすぎていた、
緊張することが多かった、
疲れを溜めていた…という場合は、

水星逆行中にぼんやりする、
やらたと眠くなる、
やる気がなくなる、
体調を崩す、
ということが起こりやすいように思います。

 

水星が
(あくまで見た目の話とはいえ)
未来へと進まず、
過去へと遡っていくということは、
きっと
「焦って前に進まずに、
これまでの流れを見直したりしながら、
ゆっくり休んでから行こうよ」
という水星からのメッセージであるはず。

 

なので、
水星逆行中に
やらたと眠くなったり、
体調が悪くなったり、
なんだか物事が
うまく進まないな、というときは、
焦らずにゆっくりお過ごしくださいね。

また
“とき”が来れば、
ちゃんと進み始めていきますから。

 

 

5.最後に。

 

いついかなるときも
星は、ただ動いているだけ。

 

その星の動きについて
「良い/悪い」を判断するのは
完全なる人間側の都合です。

 

宇宙的な視点では、
どのような星の動きであれ、
良いも悪いもなく、
「そうなるべくしてそうなっている」
だけなのです。

 

だから、
水星逆行に対して
強く反応するときも、
なんてことないときもあると思いますが、
そのときの反応も
「そうなるべくしてそうなっているもの」。

 

必要なことは、
必要なタイミングで起こっているし、
すべては
より良くなるために起こっていますから、

水星逆行中であったとしても、
そのときのあなたにとって
「必要なことしか起こらない」
ということを覚えておいてくださいね。

 

そして、何より
「水星逆行はこう過ごすべき」という情報に捉われて
“頭”で考えたことだけで判断して過ごすのではなく、
まずは、
今、自分は何をしたいのか、
どう過ごしたいのかという
心の声に耳を傾けて、素直に従っていただければな、と思います。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2010年より「星読み師」としてプロ活動を開始。 太陽みずがめ・月おうし。ASCふたご座。大阪出身。
「自分嫌い」「超ネガティブで卑屈」「生きるのつらい」という状態から、星読みと心の観察を通して「自分OK」「ゆるゆる前向き」「生きるの楽しい」な状態へと変化させた自身の経験をベースに、星と心の在り方の情報を発信。 星読み師としての活動のテーマは、「生きづらさを抱えている人が心軽やかに生きていくためのヒントを届けること」。
2018年より「人の心に希望の光を灯す星読みができる人を増やすこと」を目標に掲げ、西洋占星術プロ養成講座を六期まで開講。2021年からはオンライン中心の活動へシフトし、オンライン講座をリリース。
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物事の判断基準は、体感的に「いい感じ」がするかどうか(月おうしなので笑)。 人生のモットーは「幸せやったらええねん」。 重度のねこ中毒。癒しはねこ吸引(特にほっぺたとお腹が好き)。